242日目 雑記
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
経験者なら大抵の人は、出産の日の記憶って、結構覚えてるのではないでしょうか。
よく「産後の恨みは一生」って言うらしいですが、それくらい人生の大イベントだと思うんですよね。
私は、大恋愛とか壮絶な受験とか超青春の部活とかとは縁のない、ゆる〜い人生を送ってきたので、出産はもう本当に、忘れられない日なんですよね。特に最初の出産。
一般的にも初産は時間がかかるものだそうですが、私も例に漏れず、長い陣痛に苦しみました。母子手帳を見ると、分娩時間は38時間と書いてあります。
病院にはもっと前に着いているので、個人的にはもっとかかっている感覚があります。
それが特に長いのか、割とみんなそんなもんなのかは分かりませんが、終わりの見えない苦しみというのは、本当にメンタルにきました。
1人だったらもう本当に心細かったと思うのですが、里帰りしてたので実母がいたのと、夫があっという間に駆けつけてくれました。
夫は「今から病院に行くよ」と連絡してから2時間くらいで来たのですが、病院に行ったらすぐ産まれると思ってたらしいです。急いで行かないと立ち会いそびれると、ダッシュで来たらしい。
私も、病院に行けば数時間で終わると思ってたんですが、いや〜、そこから長かった。
私はもちろん大変ではありましたが、お腹が空いたとか眠たいとか、そういう感覚は一切失っていたので、痛みにさえ耐えていれば良かったのですが、夫は眠いし空腹だしで辛かったみたいです。
夫の偉いところは、それでも妻を残して離席しなかった所ですね。
空きっ腹を抱えて寝落ちしながら、一晩手を握っていてくれました。
私も夫も、陣痛の波が引いている間に寝落ちして、痛みが来たら目を覚ますという夜でした。
朝になったら、助産師さん数人と先生が分娩室に入ってきて、そこからはあっという間でした。今まで何だったの??っていうくらい、スポン!と産まれました。
痛みとかもあまりなく、本当にポンって。
先生が、ドラマみたいに白衣を翻しながら袖を通した時の「さあこれからだぞ!」感、それを見た私たち夫婦の「これで最後。頑張るぞ!」感も一瞬で終わり。
私の正直な感想は「もう??」です。
いやまあいいんですけど…
ちなみに次の出産の時、初回で酷い目にあった夫は、病院に行く前に菓子パンとか携帯食品とか飲み物のペットボトルとかをたっぷり持って、気合い十分でやってきました。
「2度目の出産は半分くらいの時間で産まれる」と聞いていたので、「半分になっても20時間くらいだし」と2食分は買ってきたそうですが、2度目の出産は3時間。
パンパンのビニール袋を下げて、彼は帰って行きました…爆笑。
私の「記憶に残っている、あの日」は、良い伴侶に恵まれたなぁという思い出です。